流れ雲

繰り返しと積み重ねの過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく、神戸発信

独りっきりの裁判

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


信じれば真実、疑えば妄想……

アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.

創作、ドキュメンタリーです。
ストーカー行為から脅迫に至った加害者を相手に、
刑事、民事と奮闘したあげく、
独りで裁判に持ち込みました。
このストーリーでは、民事裁判の手法や解説を交え、
被害者が直面されるであろう
問題点についても訴えています。
Author: 壇次郎


独りっきりの裁判 第1-4話 

私は、現場仕事が無い日でもビルに常駐出来る様、
宿直室を改修し、空いていた小さな倉庫部屋を
自分の事務所に改造しました。
これらの改修工事は得意です。
当然、私独りで行いました。
ビルオーナーを紹介してくれたお客さんが持っている
ダミー会社を元請会社とし、私の管理人業務が始まりました。
管理会社から派遣されていた掃除のおばちゃんは、
当時65歳で、加藤さんといいます。
加藤さんは、ビルに自転車で通える程の距離に、
大工さんである旦那さんとの二人暮らしでした。
加藤さんが席を置くビル管理会社は、
加藤さんを違うビルに配置転換しようとしていましたが、
加藤さんは、出来れば第一ビルで
仕事を続けたいと思っていました。
私も野口さんも、その他テナントの人々も、
出来れば加藤さんにはビルに残ってもらい、
掃除の仕事を今まで通りに続けて欲しいと願っていました。
そして、私の会社の従業員として
第一ビルでの掃除業務を続けてもらうこととなりました。
私が会社を立ち上げて以来、
その加藤さんが従業員第一号です。
加藤さんと私とでは、歳が20歳以上離れていましたので、
私から見て、加藤さんが「従業員」であるという感覚は
全くありませんでした。互いに「仲間」といった感じで、
ビルを管理していく上でのアイデアをいろいろと
一緒になって考えたりしていました。
第一ビルの管理人を始めて一年半が過ぎました。
我社の従業員は、相変わらず、加藤さんを一人、
パートで雇っているだけでした。
私はその頃でも、他のビル管理会社から
別の仕事を貰ったりして生計を維持していました。
ある日のことでした。突然、加藤さんが自宅で転び、
怪我をしてしまいました。
転んだ時に腕を骨折してしまったのです。
当然、お掃除の仕事が出来ず、
新たにパートさんを雇うことになりました。
でも、すぐに次の清掃員が見つかる訳ではありません。
それまでは、私がビルの掃除をすることにしました。
ビル清掃となると、当然、トイレ掃除もします。
女性事務員さんが多いこのビルで、
男が女子トイレを掃除しているのは、
あまり良くないとの話が管理事務所から上がりました。
そこで、清掃員募集の際は、女性にすることを決めました。
私も、女子トイレを掃除している姿を
各事務所のお姉ちゃん達に見られるのは
恥ずかしい気持ちがありました。
そこで、毎朝、午前5時にはビルに出て掃除を始め、
午前7時には全てを終了する様にしていました。
その後、現場仕事に出かけ、夕方にビルに戻り、
駐車場の掃除をし、午後6時を過ぎたら
正面玄関を施錠するといった日が続きました。
現場仕事が無い日であれば、早朝の館内清掃を終わらせた後、
宿直室で仮眠が出来ましたが、
毎朝の4時起きは早起きに慣れていなかった私にとって、
少々辛い経験でもありました。
第一ビルの管理事務所を任されている会社の人以外、
私がトイレ掃除をしていると思っている人はいませんでした。
皆、どこかのおばさんが朝早く来て、
掃除をしていると思っていてくれました。
早速、私はハローワークに出向き、
求人の手続きをお願いしました。
当時、世間では、どこの企業もリストラを叫び、
労働組合は雇用の確保に躍起となっていました。
従って、日本中どこでも就職難でした。
特に、地方都市になりますと、
景気は最悪の状態が続いていました。
ハローワークには、朝から大勢の人々が
職を探しに訪れていました。
男女雇用機会均等法によって、求人の際、
男女の区別を付ける事が出来なくなりました。
その為か、ハローワークからは、
男性からの問い合わせが来ているとの連絡ばかりで、
いわゆる「掃除のおばちゃん」になり得る応募者は、
なかなか現れませんでした。
これも「雇用のミスマッチ」という現象の一種なのでしようか。
元請けさんや知り合いにも、
誰か清掃してくれる人を紹介して欲しいと頼んでいましたが、
一向に人材が現れません。
とうとう私は、求人雑誌も利用することにしました。
世の中、職を求めている人が多い中、
何故、自分のところだけ人が来ないのだろうかと疑問でした。
時給だって他の会社の清掃員よりも高いはずなのに、
交通の便も良い場所なのに、
私は不思議に思っていました。
おそらく、勤務時間帯や1日4時間という
勤務時間の短さが影響しているのかもしれません。
職を求めている方々は、出来るだけ
正社員並の収入を求めるのは当然です。
私の方こそ「求人のミスマッチ」なのかもしれません。
それとも、私には生まれつき「人」というものに
縁の無い運命だったのでしょうか。
依然として、ハローワークからは応募者が現れません。
求人雑誌に掲載しても、
問い合わせすらありませんでした。


続く

Author: 夢庵壇次郎
http://www.newvel.jp/library/pso-1967.html


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る

歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…



美空ひばり & 森進一



昨日という日は歴史、
 明日という日はミステリー、
  今日という日は贈り物、


時は絶えず流れ、
    今、微笑む花も、明日には枯れる



P R 

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1ボディーのローリング傷
2.拭き傷
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4.ボデー面の退色・艶消え
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