流れ雲

繰り返しと積み重ねの過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく、神戸発信

雪娘

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歴史・履歴への許可証

昨日という日は歴史、
明日という日はミステリー、
今日という日はプレゼント(贈り物)



雪娘 

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むかしむかし、さむい北の国に、
おじいさんとおばあさんがすんでいました。
「おじいさん、たった二人きりですと、さびしいですねえ」
「そうだね。せめて、子どもでもいれば・・・」
おじいさんとおばあさんには、
子どもが一人もいなかったのです。
「ほら、外を見てごらん。
子どもたちが雪遊びをしているよ」
まどから外を見ると、雪が一面につもっていて、
子どもたちが大きな雪だるまをつくっていました。
「おばあさん。わたしたちも雪だるまをつくろう」
「そうですねえ。でもおじいさん。それならば、
ボウシをかぶって、手ぶくろをはめて、
長ぐつもはいている、
かわいい女の子をつくってみましょうよ」
「うん、そうしよう」
おじいさんとおばあさんは、うれしそうに外へ出ると、
庭(にわ)のまん中に雪を集めて、それはかわいい、
本物そっくりの雪の女の子をつくりました。
「さあ、この子になんていう名まえをつけようか?」
「そうですねえ」おばあさんがいったときです。
「わたしは、カーチャ」
とつぜん、その雪の女の子が口をきいて、
おじいさんとおばあさんに飛びついてきたのです。
白いほっペたは、みるみるピンク色になり、
炭(すみ)でつくった黒髪と大きな黒い目は、
本当の黒髪と目になりました。
おじいさんとおばあさんは大喜びです。
さっそく、女の子を家に連れてくると、
「カーチャ、おまえはうちの子だよ」
そういって洋服をつくってやったり、
リボンをむすんでやったり、
新しい長ぐつを買ってやったりして、
それはそれは大切に育てることにしたのです。
ところが、冬が終わって春がきて、
雪がすっかりとけてしまうころになると、
女の子はなんだか元気がなくなって、
家の中でジーッとすわっているのです。
やがて、北の国にも夏がやってきました。
「カーチャ、森へ遊びにいきましょう」
近所の友だちが、女の子をよびにきました。
「いやよ。外はあついんですもの」
「まあ、カーチャ、森へいけばすずしいわ。
小川の水はつめたくて、いい気持ちよ」
みんながいうと、おじいさんとおばあさんもいいました。
「そうだよ、カーチャ。たまには外で遊んでおいで」
そこで女の子は、しぶしぶ、
みんなと森へ出かけていきました。
でもほかの子は、お日さまの下で花をつんだり、
走ったりしているのに、女の子はたった一人、
一日じゅう小川で足をひやしていました。
「カーチャったら、おかしな子ね」
タ方になって、森の向こうにお日さまがしずみました。
「さあ、今度はたき火をして、
みんなでたき火のとびこえっこをしましょう」と、
だれかがいいました。
「わたしが一番よ」「わたしが二番よ」
三番目が飛んで、四番目が飛んで、
「あら、カーチャがまだね」
とうとう、女の子の番になりました。
「どうしたのカーチャ、飛ばないの? 
飛ベないの? こわいの?」
女の子が、いつまでたってもジーッと
たき火の火を見ているので、みんながいいました。
「わかったわ。カ一チャは、たき火がこわいのよ。
弱虫(よわむし)なのよ」
「そうよ、そうよ。カーチャは弱虫よ」
女の子は、みんなを見ました。
「・・・弱虫じゃないわ」
女の子は、とうとう決心をして、火の上を飛びこえました。
 ピョーン。
「ごらんなさい、飛んだでしょ。弱虫じゃないわ」
ところが女の子は、たき火を飛びこしたかと思うと、
みるみるピンク色のほっペたが白く、うすくなって、
やがて手も足もからだも消えてしまいました。
寒い冬の雪から生まれた女の子は、ちょうど、
雪がとけるように消えてしまったのです。

おしまい


大根が白いわけ 童話集 

幸せがつづいても、不幸になるとは言えない
 不幸がつづいても、幸せが来るとは限らない




P R 

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