流れ雲

繰り返しと積み重ねの過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく、神戸発信

独りっきりの裁判

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


信じれば真実、疑えば妄想……

アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.

創作、ドキュメンタリーです。
ストーカー行為から脅迫に至った
加害者を相手に、
刑事、民事と奮闘したあげく、
独りで裁判に持ち込みました。
このストーリーでは、
民事裁判の手法や解説を交え、
被害者が直面されるであろう
問題点についても訴えています。

Author: 壇次郎


独りっきりの裁判 第1-7話 

相変わらず、仕事量が多いと言う中村に対し、
私は、「前のおばさんは、貴方よりも十歳も年上だったのに、
余裕を持って仕事をしていましたよ。
だから、貴方にも出来るはずです。
別に、11時までに終わらなければ、残業してもいいですよ。
超過時間分の賃金は、払いますから、
心配しないでミスの無い様、きちっと仕事をして下さい」と、
言いました。
この「前のおばさん」である加藤さんと比較されたことが、
中村にとって大きな嫉妬心になるなんて、
その時の私には、知る由もありませんでした。
私は、なんとか、きちんと仕事をしてもらおうと、
中村に対して指導を続けました。
清掃道具が悪いと言えば、
中村が要望する道具を揃えたりもしました。
だからと言って、きちんと掃除をしてくれる訳でもなく、
中村の仕事ぶりには全く変化がありませんでした。
中村は、突如、一方的に身の上話を始めることがありました。
中村は話しているうちに、どんどんと
自分の世界に入り込んで行き、興奮してきます。
大声になってくると何を言っても止まらないところがあり、
異様さを感じました。

中村は、二十代の頃、ある病院で事務員として
勤務していた時があったそうです。
その頃、同じ病院の勤務医と恋仲になったそうですが、
身体を持て遊ばれた上、捨てられたそうです。
その勤務医との結婚を夢見ていた当時の中村は、
精神状態が不安定になり、親、兄弟から、
無理やり精神病院に2回も入院させられたそうです。
この恋仲になったと言う医者への恨みは
今でも忘れないとのことでした。
精神病院を退院後、
中村はキャバレーのホステスをしていたそうです。
その頃、キャバレーに通い詰めていた会社員と仲良くなり、
彼の子供を身ごもったそうです。
その為、中村は、その会社員と結婚し、
後には二人目の子供が生まれました。
しかし、子供たちが小学生の頃、
突然理由も無く、夫側の申し出により離婚。
その後、中村は、女手一つ、ビルの掃除婦をしながら、
2人の娘を高校まで卒業させたとのことでした。
時には、山奥の工事現場まで、
飯場の賄い婦として住み込みに出かけたこともあったそうです。
高校生の長女と中学生の次女を2人アパートに残し、
半年以上、住み込みの仕事をしていた時期もあったそうです。
元の夫は、現在、遠く離れた地方都市で、
再婚して新たな家庭を築いているそうです。
それでも、娘たちに何かあった時などは、
わざわざ来てくれて相談に乗ってくれる様です。
そして、娘たちは2人ともすでに独立して、
各々、暮らしているとのことでした。
長女は、妻子ある男性と同居中で、
男性側にて離婚が成立したら結婚するそうです。
なんと、長女は社内不倫だったそうです。
その話を長女から聞いた中村は激怒し、
元夫を呼び寄せ、長女が交際している男性の会社に
共に乗り込んで行ったそうです。
長女の交際相手である男性は、
家電メーカーの支社に勤務していました。
怒鳴り込んだ先で、中村と元夫に対応したのは、
そこの会社の支店長だったそうです。
中村たちは支店長に『男をクビにしろ』と
詰め寄ったそうですが、
そこの支店長は、のらりくらりの対応だったそうです。
中村のこんな行動は、
長女を会社に居づらくさせてしまいました。
でも、交際相手の男性は、
その会社での勤務を続けていたそうで、そのことも
中村にとっては気に入らず、幾度と無く、
会社に乗り込んで行ったそうですが、最初の時以来、
そこの支店長とは面会出来ていない様子でした。
中村は、長女の交際相手の男性を
『変な顔をしている』と、盛んに言っていました。
次女は、大病院に勤務する若い医師と、
近々、結婚をするそうで、相手方の両親とも
面会したばかりだと言っていました。
中村は、ここでも、次女の結婚相手や、
相手方両親のことを『変な顔をしている』と表現していました。
この様に、頻繁に中村は、他人のことを
『変な顔をしている』と、言っていました。
中村には他人の顔がゆがんで見えていたのでしょうか。
単純にそう感じ、見えてしまうのか、
病的症状をきたし、そう見えてしまうのかは、
私には解りません。
居ないはずの『背の高い男の人』が見えたり、
普通の人間を『変な顔』に見えたりする中村に、
私はよりいっそう不気味さを感じ始めていました。
中村は、ある宗教の信者であるとのことでした。
自分の話を聞いて欲しいと彼女が言うので、
私に時間の余裕があった時、
一時間ほど神様の話を聞いてあげた場面もありました。
特に宗教を信仰していない私にとって、
世の中全てを神様のせいにする考えには納得できず、
反論をするものの、中村とは全く議論が噛み合いません。
一方的な中村の話を聞いていると、
別に、宗教の訓えとしての話とは程遠い内容でした。
要するに、街で若い男性信者に声をかけられて、
それが嬉しくて、その組織に入った様子でした。
その宗教の布教活動をしている若者たちは、
皆、紳士的であったとのことです。
誰にも相手にされていない中村にとっては、
宗教の中味など全く関係無く、
宗教勧誘員を単なる友達仲間として捉えていた様子でした。
中村は私に聖書を見せたりしていましたが、
私の雑学の方が勝っている有様でした。
中村は、「神に滅ぼされる」という言葉を
よく口にしていました。私に宛てた手紙にも、
この言葉が頻繁に用いられていました。
宗教にのめり込んでしまっている人がよく使う言葉ですが、
オカルト的に恐怖心を利用するこの手段に、
私は不快感を覚えてしまいます。
まさしく、この事が後に起こる
恐怖の始まりであったのです。


続く

Author: 夢庵壇次郎
http://www.newvel.jp/library/pso-1967.html


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る

歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…


残侠子守唄/美空ひばり
作詞:たかたかし・作曲:弦哲也


今日日(きょうび)「寄らば大樹の陰」とかいう
言葉が 巾をきかせているようでございます。
楽をしようとする心が、人間を
だめにするのじゃないでしょうか。




昨日という日は歴史、
 明日という日はミステリー、
  今日という日は贈り物、


時は絶えず流れ、
    今、微笑む花も、明日には枯れる



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特 長
1ボディーのローリング傷
2.拭き傷
3.頑固な水アカ 
4.ボデー面の退色・艶消え
5.ワックスを掛けても綺麗にならない
6.ウォータースポット(水カタ)除去 
ボディーの汚れや、艶引き等が簡単に復元できます。