流れ雲

繰り返しと積み重ねの過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく、神戸発信

独りっきりの裁判 第1-8

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


信じれば真実、疑えば妄想……

アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.

創作、ドキュメンタリーです。
ストーカー行為から脅迫に至った
加害者を相手に、
刑事、民事と奮闘したあげく、
独りで裁判に持ち込みました。
このストーリーでは、
民事裁判の手法や解説を交え、
被害者が直面されるであろう
問題点についても訴えています。

Author: 壇次郎


独りっきりの裁判 第1-8話 
中村の採用から一ヶ月になろうとしていました。
彼女の勤務、仕事ぶりに変化はありません。
良くならない代わりに悪くもなりません。しかし、
私が聴きたくも無い神様の話を聞いてあげた日以来、
盛んに私を教会に誘う様になりました。
土曜日の晩や日曜日の朝になると、
中村は必ず私の携帯電話に
電話を掛けて来る様になりました。
「アナタには神の言葉が必要です」
「私と一緒に神に祈りましょう」
私は仕事柄、緊急事態の為に、
24時間携帯電話の電源を切ることはありませんでした。
せっかくの休みの日曜日に、
こんなことで朝早く起こされるのには腹が立ちました。
当然、私はきっぱりと断りました。
これこそ『余計なお世話』です。
ある日の事です。私が外出先から帰ってみると、
作業場のテーブルの上に一包みのビニール袋が
一枚のメモと共に置いてありました。
メモは中村が私に宛てて書いたものでした。
「どうぞ、お昼に食べて下さい」
なんと、中味は中村の手作り弁当ではありませんか。
中村は、私が毎日、コンビニで
弁当を買って来ているのを知っているはずです。
その日も、私はコンビニでハンバーグ弁当を買い、
ビルに戻ったところでした。
私は中村の手作り弁当など食べる気にはなりませんでした。
別に、コンビニ弁当があったからではありません。
手作り弁当に手を付けることにより、
私が中村の気持ちを受け入れたと
勘違いされるのを恐れたからです。
私は、テーブルの上に置いてあるビニール袋には、
一切手を付けず、そのままにしておきました。
正直、女がどんな気持ちで男に弁当を作るのか、
想像すると申し訳ない気持ちもありました。
しかし、こんな私の『優しい心』が吹っ飛んでしまうのには、
さほど時間はかかりませんでした。
中村からの私に対する食べ物の差し入れや置手紙は、
日を追う毎に激しさを増してきました。
スルメ、チョコレート、飴玉、お菓子、
私が外出先から戻ると、テーブルの上に
必ず置いてあります。断っても、断っても、
毎日、毎日、置いてあります。
手紙には、「貴方は私の別れた主人に似ていて・・・」
「貴方と一緒に居ると私は楽しい・・・」
「今度、一緒に教会に行きましょう」
「ダンスに行きましょう」「カラオケに行きましょう」
「神は貴方に・・・」等々です。
そして、必ずメモの最後には、
「愛する貴方へ・・・」と、結ばれていました。
また、中村は、私が独身だと思い込んでいるのに
気付きました。
「独り暮らしなの?」と、私に何度も聞きます。
早い内に、はっきりと伝えなければと思い、
「私には家族があり、
貴方とは仕事上だけの付き合いです。
個人的に付き合う気持ちはありません。
宗教にも興味はありません。私は貴方の雇い主です。
今後、二度と差し入れや置手紙はしない様にして下さい。
貴方の行いは、私にとって大変迷惑で、不愉快です」と、
強く言いました。
しかし、中村はこの言葉を理解できる人物では
ありませんでした。
中村は一度でも思い込んだら、修正が出来ません。
それも、勝手な思い込みだということを
認めることが出来ません。
まさに、妄想の世界から抜け出せないのです。
「何度言っても分からない人」は、
どこにでも居るものです。でも、
私にとって、ここまで極端な人間と出合ったのは
初めてでした。
中村には、主従の関係が理解出来ていませんでした。
私が何故、いろいろと言うのかが、理解できず、
注意されることに不満そうでした。
ある日、私が外出先から戻ると、
いつもの様にラブレターがテーブルに置いてありました。
それと共に、一万円札が
二枚入った封筒も置いてありました。
メモには、「お給料が貰い過ぎで、
返します」との内容です。
私は翌日、「契約どおりの給料だから、
ちゃんと受け取りなさい」と言い、
中村に返そうとしましたが、一向に受け取ろうとしません。
しばらく押し問答になりました。
この時のやり取りが、後になって、
とんでもない妄想(幻想)と変化するなんて、
私は想像もつきませんでした。
そして私は、その二万円は
給料振込先の銀行口座に即座に振り込み、
返しました。
私は毎日の様に続くラブレターを、
即座にゴミ箱へと投げ捨てておりました。
後に、これも証拠書類となるのだとは
思ってもいませんでした。
私にとって、置手紙やラブレターは気味が悪く、
不愉快でした。
私の仲の良い仕事仲間は、中村の置いたメモを見て、
「お前、そのうちに、あのおばさんに
呪い殺されるぞ!」と言いながら、笑っていました。
その時は、まだ、笑い話で済んでいました。
しかし、当時、四十三歳の私にとって、
こんな五十六歳のおばさんから
連日の様に続く愛の告白には、
「気味が悪い」といった以外、
何物でもありませんでした。
私は、毎日続いた中村の「告白メモ」や
「ラブレター」を全て、即刻処分していました。
時には、テーブルに置いてあるメモ用紙には、
目もくれず、触れもせず、
興味が無い事を解らせる為、
そのままにしておいたこともありました。
でも、中村の思い込みに
改善の兆しは全くありませんでした。
「これ、読んで下さい」と、
告白メモを差し出す中村に、
「いいかげんにしろよ!」と、
大声を出したこともありました。まさに、
『馬の耳に念仏』『カエルの面に小便』と
言った様子でした。


続く

Author: 夢庵壇次郎
http://www.newvel.jp/library/pso-1967.html


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る

歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…


美空ひばり 『タブー 』



昨日という日は歴史、
 明日という日はミステリー、
  今日という日は贈り物、


時は絶えず流れ、
    今、微笑む花も、明日には枯れる



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特 長
1ボディーのローリング傷
2.拭き傷
3.頑固な水アカ 
4.ボデー面の退色・艶消え
5.ワックスを掛けても綺麗にならない
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ボディーの汚れや、艶引き等が簡単に復元できます。