流れ雲

繰り返しと積み重ねの過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく、神戸発信

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歴史・履歴への許可証

昨日という日は歴史、
明日という日はミステリー、
今日という日はプレゼント(贈り物)



タヌキの糸車 f:id:campbll3:20141228171844j:plain
 
むかしむかし、山奥に、
きこりの夫婦が住んでいました。
きこりは木を切って炭を焼き、
おかみさんは糸車を回して、
糸をつむいで暮らしていました。
きこりが仕事でいない昼間、
タヌキがときどきやってきて、
食ベ物を食いちらかすようになりました。
それで夫婦は、なベやおひつに大きな石をのせて、
タヌキが取って食べないようにしましたが、
それでもタヌキは、夜になるとやってきて、
家の前でポンポコ腹つづみを打ったり、
踊ったりのイタズラをします。
きこりは腹をたてて。
「さわがしいやつだ。
今にワナをしかけて、つかまえてやる!」
月のよい晩、おかみさんが糸車を回していると、
しょうじの破れ目から、タヌキの黒い目玉が
クルクルクルと動いています。
そして、今度はおかみさんのまねをして、
タヌキは糸車を回すかっこうをしました。
「かわいいタヌキじゃのう」
こうして、タヌキはおかみさんを喜ばせました。
そして、ある晩のこと。
「ギャンギャン!」裏山でタヌキの声がしました。
おかみさんが見に行くと、
あのタヌキがワナにかかって、
木からぶらさがっています。
「かわいそうに、うちの人がかけた
ワナにかかったのだね」
おかみさんは、そっとワナを取ってやりました。
「気をつけないと、タヌキ汁にされてしまうよ」
タヌキは何度もふり返りながら、
森の中へ帰っていきました。
山に冬がくると、きこり夫婦は
ふもとにおりて小さい家で暮らします。
おかみさんは、(あのタヌキはどうしているかのう?)と、
ときどきタヌキを思い出していました。
さて、春が来て、夫婦は
また山の家へ戻ってきました。
家に入り、座敷にあがったおかみさんは、
「あっ!」とおどろきました。
白い糸が、山のように積まれているのです。
ほこりだらけになっているはずの糸車は、
みがかれてピカピカに光っています。
「なんと、ふしぎな」
おかみさんが、ボーッと見ていると、
「さあさあ、いつまでもつっ立っていないで、
家のそうじをしろ」きこりはそういうと、
炭焼きがまを見に出ていきました。
おかみさんはそうじをして、ごはんをたきに、
かまどの前にすわっていると、
キイカラ、キイカラと、糸車の回る音がしてきました。
「おやっ?」と、思って、
そうっと座敷のほうを見ると、
「あれっ、タヌキだ」
おかみさんは息をのみました。
いつのまにかやってきたタヌキが、
それはじょうずに糸車を回して、
糸をつむいでいたのです。
キイカラ、キイカラ
キイカラ、キイカラ
おかみさんは、声もたてずに見とれていました。
タヌキは、ひととおり巻き終わると、
糸をはずして、
いつもおかみさんがしていたとおり、
きれいにまとめて積みかさねます。
そして、タヌキは満足そうな顔をして、
あたりを見回しました。その目が、
おかみさんの目とあうと、
タヌキはうれしそうにおじぎをして、
森へ帰っていきました。
「ありがとよ、タヌキ。
おまえは一年分の糸をつむいでくれたんだね」
おかみさんは、いつまでもいつまでも、
タヌキの後ろ姿を見送りました。

おしまい


一休さん「刀のご馳走

 


幸せがつづいても、不幸になるとは言えない
 不幸がつづいても、幸せが来るとは限らない






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