流れ雲

繰り返しと積み重ねの過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく、神戸発信

 

謹賀新年2

 

 


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歴史・履歴への許可証

昨日という日は歴史、
明日という日はミステリー、
今日という日はプレゼント(贈り物)



彦一と えんまさま

彦一とえんま様

むかしむかし、彦一(ひこいち)と言う、
とてもかしこい子どもがいました。
その彦一も年を取っておじいさんになり、
とうとう死んでしまいました。
死んだ彦一が目を覚ますと、目の前に地獄
(じごく)のえんまさまがすわっています。
(しまった! ここは、地獄じゃ)
だけど彦一は、少しもあわてませんでした。
彦一は死ぬ前に、黒ざとうと、白ざとうと、
トウガラシの粉を入れた三段の重箱(じゅうばこ)を
ひつぎに入れるように言い残したのです。
彦一は重箱を開けると、中の黒ざとうを
おいしそうになめはじめました。
「こら彦一、
しんみょうに、おれさまのさばきを受けい。
・・・やや、そこで、何をなめているか」
えんまさまが大目玉でにらみつけると、
彦一はニッコリ笑って、
「これは、とてもうまい物です。
ちょっとだけ、えんまさまにも差し上げましょう」
と、黒と白のさとうを出しました。
「うむ、すまんの。・・・ふむふむ。
なるほど、これは確かにうまい。・・・うん? 
その下の段には、何が入っておる?」
「では、これもなめてください」
彦一が差し出したのは、
まっ赤なトウガラシの粉です。
えんまさまはチョイとなめて、
すぐに吐き出しました。
「ペッ、ペッ! 何じゃこれは! 
口の中が、火事になったようじゃ」
すると彦一は、とぼけた顔で言いました。
「えんまさま、この赤い粉は、
ひと口なめれば辛い物。
一度に食べればうまい物です。
食べる時は、一度に
飲み込まなくてはいけません」
「そうか、では、はやくよこせ」
えんまさまは重箱いっぱいのトウガラシの粉を、
大きな口を開けて一口で飲み込みました。
するとお腹の中が大火事になり、
口や目から火をふきました。
「あちち! これはたまらん! もうたまらん!」
えんまさまはドタバタあばれると、
はだかになって水をかぶりにかけ出しました。
「では、わたしはこのすきに」
彦一はえんまさまが脱ぎすてた衣に着替えると、
外へ飛び出して何も知らない
子オニたちに言いました。
「おほん! わたしは、えんま大王であるぞ。
天国まで用事があるので、
すぐにカゴを用意しろ」
「はっ、ただいま!」
子オニたちは急いでカゴを用意すると、
彦一を天国まではこびました。
こうして彦一は、天国で
のんびり暮らす事が出来たのです。

おしまい


若者に恋をした魔女 前編



あの世でのことづけ(民話)
      じぞう様

むかしむかし、ある山奥のお寺で、
一人の若いお坊さんが修行をしていました。
お坊さんは何日も食事をせずに、
だまって心の中でお経をとなえつづけていました。
そんなある日の事、お坊さんの体が
とつぜん動かなくなって、
息が止まってしまいました。
お坊さんのたましいは体からはなれて、
フワフワと空中にただよいはじめたのです。
ひろいお寺の境内(けいだい)をただよって、
木の枝で休んだり、風にふかれて
林の中に入ったりしていると、
むこうから年をとったお坊さんのたましいが
やってきました。
年をとったお坊さんのたましいは、
ニコニコした顔で、
「どうじゃ。わしについてこぬか。
あの世を案内してやるぞ」と、いって、
若いお坊さんのたましいを、
あの世見物につれていってくれたのです。
あの世の広場を見ていると、
重い石を運ばされたり、
ウシにされたり、オニに追いかけられて
ムチでたたかれている人たちがたくさんいました。
そこへ、こわそうな身なりをした人や、
白い衣を着たやさしい顔の人など、
いろいろな姿の人たちが通りかかりました。
「おっほほ。めずらしいものに出会ったな。
あの一行はな、こっちの世へきて、
新しく神さまになった人たちじゃ。
いくさの神もおるし。学問の神もおる。
うらみの神、たたりの神、しあわせの神、
病の神、いろいろな神がおる」
年をとったお坊さんのたましいが、
ていねいに教えてくれました。
しばらくすると、おじいさんたちの一行が
通りかかりました。すると、
その人たちが近よってきて、
「わしは谷川村の善兵衛(ぜんべえ)です。
元気でいるから心配するなと、
ぜひ、つたえてくだされ」
「わしは大沼村の平助(へいすけ)です。
秋になったら大好物のカキをそなえてくれと、
つたえてくだされ。たのみますよ」などと、
たくさんのことづけをたのまれました。
若いお坊さんのたましいは、それをきいて
うなずいていました。
「ずいぶんとたのまれたな。
このまま連れて行こうかと思ったが、
たのまれた以上、
ちゃんとつたえてやらなければならんな」
年をとったお坊さんのたましいは、
不思議な事をいいました。そして、
「わしは用事があるから、先に帰りなさい。
そこが近道じゃ。どこまでもどこまでも、
まっすぐいけばよい」と、
帰りの道を教えてくれました。
まっ暗な岩穴の中を、たましいが
フワフワ飛んでいくと、いつのまにか
若いお坊さんのからだにすいこまれていました。
若いお坊さんは息をふきかえして、
ふたたびこの世に生きかえったのです。
息が止まってから、なんと
十三日がたっていました。
息をふきかえした若いお坊さんは、
それからしばらくすると、
あの世でたのまれたことづけをつたえるために、
あちこちの村々をたずね歩いたという事です。

おしまい


若者に恋をした魔女 後編



幸せがつづいても、不幸になるとは言えない
 不幸がつづいても、幸せが来るとは限らない




 

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