流れ雲

繰り返しと積み重ねの過ぎ去る日々に、小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく、神戸発信

独りっきりの裁判

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


信じれば真実、疑えば妄想……

アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.

創作、ドキュメンタリーです。
ストーカー行為から脅迫に至った
加害者を相手に、
刑事、民事と奮闘したあげく、
独りで裁判に持ち込みました。
このストーリーでは、
民事裁判の手法や解説を交え、
被害者が直面されるであろう
問題点についても訴えています。

Author: 壇次郎

 
独りっきりの裁判
 第1-12話 
(脅迫)(その2)


悪いことは続くものです。ある日、
実家の兄嫁から、私の母が倒れたとの
連絡が来ました。
サラリーマンの兄は出張中でした。
80歳の母は、元々、心臓が悪く、
かかりつけの病院に救急車で運ばれました。
私は、急遽、実家に行くこととなりましたが、
ビルの玄関施錠を誰かに頼まなければなりません。
以前、勤務してくれていた加藤さんでしたら、
安心して頼むことが出来たのですが、
中村の場合ですと不安がありました。
正面玄関を施錠して、駐車場のシャッターを閉め、
階段の照明を消すだけの事なのですが、
中村に出来るのかどうかという不安がありました。
しかし、私には他に頼む相手がいなかった為、
仕方なく中村に依頼することとしました。
この様に、私が出張等で、
夕方、ビルに戻れない場合には、
施錠作業をすることも「第一ビル、
清掃管理員としての業務の範囲」に含まれていました。
私が不在となるこの日は土曜日でしたので、
清掃の仕事は休みです。
ビル自体を休館すれば済むことですが、
運悪く、その日に限ってビル内で
内装工事が予定されていました。
業者の出入りがある為、ビルを休館し、
入口を開けない訳にはいきません
。内装工事業者の話によると、
午後5時には作業が終了するとのことでしたので、
私は中村に、午後6時に正面玄関を施錠して
駐車場のシャッターを閉める様、指示をしました。
階段の照明は私が朝来ても点灯せず、
終日消しておくことにしました。また、
駐車場の照明は、消さなくてもよいこととしました。
中村には、玄関施錠の作業が終わったら、
私の携帯電話に連絡する様にと
指示を出しておきました。

土曜日の朝、私はビルの正面玄関を開け、
各フロアの照明をつけ、
駐車場のシャッターを開けた後、
ビルを離れ、飛行機に乗り込み、
母の入院する病院へと向かいました。
病院に着いた私は、意識の無い母を見舞い、
その後、実家を訪れました。
とりあえず、兄も出張から帰宅し、
一安心していました。
しかし、午後六時を過ぎても、
中村からは連絡がありません。
私の方から中村に電話をしてみたら、
業者の車のバッテリーが
上がってしまったとのことです。
そして、ビルに残っている人、一人一人に、
ケーブルと車を貸してもらえないか、
聞いて歩いているとのことでした。
それに驚いた私は、中村に、
「土曜日なのに、ビルに出て来て働いている人に、
なんてことを聞いて歩くんだ。
そんなこと、あなたの仕事ではないでしょう。
テナントの人に、迷惑をかけるな。
早く、玄関の鍵を閉めて、帰りなさい。
もう、玄関の鍵だけでいいから。
駐車場の事は、考えなくていいから。
玄関の鍵を閉めるんだよ。この一つの事ぐらい、
出来るでしょう?」

次に私は、業者を電話口に出させ、
「なんで、あんたら、掃除のおばさんに、
そんなことさせるんだよ。JAFでも呼べよ。
なんで、ビルのテナントの人が、
あんたらを助けなくちゃいけないんだよ。
今すぐ、ビルの中から出て行けよ。
鍵、閉めるんだから」と、怒鳴りつけました。
私は心配で、ビルのセキュリティを依頼している
警備会社にも電話をしました。
警備会社では、進入警報や、
火災警報があった時以外、
ビルに来る事はありません。
しかし、時々誤動作する警報装置の為、
私は日ごろから彼らと接触経験がありました。
私にとって、彼らに依頼することが、
一番の安心でした。
警備会社では、たまたま、その日の夜九時に、
第一ビル近くのビルで巡回の仕事がありました。
ついでに警備員が第一ビルに
寄ってみるとのことでした。
夜十時半、警備会社から私の携帯に
電話がありました。
正面玄関の鍵は閉まっていたが、
駐車場のシャッターが開いていたので、
シャッターを閉め、照明も
消しておいたとのことでした。
やはり、中村には第一ビルの仕事は無理だと、
私は判断しました。
中村を正規に雇うのが早過ぎました。
試用期間を決めて、確かめるべきでした。
私は、以前、勤めていた加藤さんの優秀さに、
今さらながら、気付きました。

続く

Author: 夢庵壇次郎
http://www.newvel.jp/library/pso-1967.html


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る

歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…


むらさきの夜明け・ 美空ひばり

 
昨日という日は歴史、
明日という日はミステリー、
今日という日はプレゼント
(贈り物)


時は絶えず流れ、
    今、微笑む花も、明日には枯れる







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塗装表面に塗布するだけで、
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